クソニート牧場の日記

37歳のクソニートが新たな道を模索しています

ヒットマンというゲーム

ヒットマンという俺が大好きなゲームシリーズがある

俺がやったことがあるのはPS2の2作とPS4の1作だが、PC版やXBOX版もあり、映画化もされている人気作である

主人公47(フォーティセブン)は超一流の殺し屋で、あらゆる場所に潜入し、ターゲットを暗殺する



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殺し方もプレイヤーしだいで、潜入しての絞殺、毒殺、事故に見せかけて窓から突き落としたり、銃撃戦の上に射殺することも可能である

基本的にターゲットのみを殺し、誰にも怪しまれないほど高スコアになる

こういうゲームである



日本好きすぎ



このゲーム基本的にはターゲット以外のキャラクターを気絶させて、服を奪って変装して侵入するのがベターである

まずは宅配便の格好で庭に入り、次にハウスキーパーの服を奪って住居に侵入し、護衛の服を奪ってターゲットに近付く

そういうパターンである

ロシア、イタリア、アメリカ等、ステージとなる国は様々だが、どうもゲームの開発者が好きなのか、日本もやたらステージとして出てくる

しかし日本人としてはこれに違和感がめちゃめちゃあるのである


だって宅配便が来たら、ヤマトや佐川の兄ちゃんが白人のおっさんだったり


家に見かけない白人のおっさんハウスキーパーがいたりするのである




目立つよ!!日本だとめちゃめちゃ目立つ!!




しかもこの47、頭にバーコードまで入っているのである



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よくこんな目立つ格好で伝説の殺し屋とまで呼ばれるようになったものである

いや、むしろこんな目立つ特徴があるのに気付かれないあたりが伝説なのかもしれないが……



ヤクザの組長暗殺



そんな日本で、ヤクザの組長を料亭で暗殺するステージがある

料亭の周りは護衛が固めていて、なかなか近寄れない

護衛を倒して服を奪いたいが、護衛はスーツにサングラスのエージェントタイプと、タンクトップから腕の入れ墨がむき出しのタイプと2通りいた



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このゲーム、奪えない服があったり(女性の服等)、変装してもバレてしまう服がある

当然変装するならスーツにサングラスの方であるが、あまりにも気になってタンクトップの方のヤクザを倒して服を奪ってみた

タンクトップを着込む47




その姿は肌着でうろつくスキンヘッドのヤバイ外人にしか見えない




タンクトップも腕から入れ墨がのぞいていればヤクザらしさもあるが、入れ墨がないと単なる肌着以外の何物でもない

こんなんで潜入出来るのか?

疑問に思うが、ドキドキしながら正面の入口から入ってみる

だんだん入口を守る護衛のヤクザに近付いていく


護衛のヤクザがこっちを見ている!!


このゲームにはシリーズによって警戒心パラメーターがあるのだが、それがかなり上がっている

そりゃそうだ、タンクトップの外人が近付いてきたら、別に護衛のヤクザでなくても警戒する

さすがに無理だったかと思いながら近付いてみると、意外なことに入口を通れてしまった!!

警戒心が高まっていた護衛のヤクザも




「ん!?」




とか言いながらも結局中に入れてしまった

こうして、肌着姿で頭にバーコードのあるスキンヘッドの外人は、警戒レベルの高い料亭に侵入したのである



スタイリッシュな暗殺



さて、この料亭での暗殺であるが、方法はたくさんある

しかし、このステージならではのスタイリッシュな暗殺方法がある




フグ毒による暗殺である




まず調理場に行き、板さんを気絶させて服を奪う


板さんの服さえ着ていれば、例え外人でも怪しまれないのがこのゲームである


そして調理場に置いてあるフグをかなり適当に捌き、お皿に盛り付ける

そうすると、女将がそのお皿を持っていくのである

ちなみにフグを捌いてお皿に盛り付けたら、速やかにその場を去る


さすがに目の前で人が死ぬと警戒されて正体がバレるのだ


あとは人気のないガレージででも身を潜めてボーッとしていると、急になんの前触れもなく




ミッションクリア




と出る

もちろん組長がフグを食べて毒で死んだのだが、その場を見ることは出来ない

1度興味があって組長がフグを食べる所を目の前で見ていたが、そうすると正体がバレて護衛に銃で蜂の巣にされてしまった

なので、このように暗殺対象が死ぬ所を間近で見ないで、ボーッとして暇を潰すのがプロのやり方なのだ

こうして 、自分でもよくわからない突然のタイミングでミッションクリアになって、あまり達成感のないままこのゲームは終わったのである

幽霊ファッション考

幽霊というと皆さんどんな姿を思い浮かべるだろうか?

姿は姿でも俺が聞きたいのは、どんなファッションを思い浮かべるかということだ

現代人はみんな服装にはかなり気を使っているから、幽霊になってからのファッションも実にバラエティーに富んでいる

という訳で今回は幽霊の最新ファッション事情を解説しよう



無課金タイプ



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元禄から文久にかけて大流行したタイプである

特に指定がない場合は現在もこのタイプの幽霊になるが、この格好をしていると「ベタだな〜〜」等と言われてしまう為、あまり見かけなくなった

しかしファッションの歴史は繰り返されるので、「あえて」着こなす上級者もいる



ユニクロタイプ



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1番多いタイプである

幽霊を見たという人に話を聞くと、「黒っぽい服を着た男が……」とか「赤いスカートの女が……」とか、あまり細かい特徴が出てこないことが多い




ユニクロだからである




日本人は目立つのを嫌い、右にならえの民族性であるが、幽霊になっても自己主張をしないのがこのタイプである

ちなみにGUや無印良品でも可



キモオタタイプ



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先程とは打って変わって自己主張の強いタイプ

80年代から90年代初頭のヲタの霊がこれに当たる

現代ではさすがにオタクでもほぼしないようなファッションで、濃厚なヲタ臭を漂わせている

しかしこの時代のヲタは意外にも充実した日々を送っていたので、化けて出る者は少ない

この世に未練を残している者は


井上喜久子のお経で成仏させて欲しい」


とか


林原めぐみが死ぬまではこっち(現世)にいる」


とか言ってるこじらせた奴ばかりである



高級ブランドタイプ



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出ました!!


幽霊になってもアルマーニを着るタイプ!!


幽霊とはこの世への未練により成仏出来ない魂のことを言うが




もはや未練というよりも、アルマーニへの執念であろう




ん?

高級ブランド服を着てる幽霊なんて見たことも聞いたこともないって?

……幽霊に限らず、生身の人間だって高級ブランド服を着れる人間なんて限られているのである

なかなかお目にかかれるものではない

しかも、幽霊になってもその服を着るためには


まるで自分の肌と錯覚するくらい着込んでいないとダメなのである


「せっかくアルマーニのスーツを買ったから、これはここぞという時に取っておこう……」

なんて言ってタンスの肥やしにして、いざ着ようとしたら太って着られなくなっていた


そんなあなたはいつも着ているユニクロを着た霊になるのがオチである


アルマーニを普段着としてエレガントに着こなせる人物しか、 このステイタスまで来れないのである



スティーブ・ジョブズタイプ



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スティーブ・ジョブズタイプ

当てはまるのはズバリ


スティーブ・ジョブズの霊である


考えてもみて欲しい


スティーブ・ジョブズの霊が出てきて、スーツなんか着てたらガッカリである


そもそもスティーブ・ジョブズがこの服着てなかったら、もはや誰だかわからない


むしろ似た感じの禿げた外人のオッサンに着せたら、それはもうスティーブ・ジョブズである


この服=スティーブ・ジョブズ

忘れずに覚えていて欲しい



まとめ



いかがだったであろうか?

このように幽霊と一口に言っても、それぞれ服へのこだわりがあるものなのである

……しかしこのブログを書いていて気付いたが、普段目にする幽霊は、どいつもこいつもユニクロタイプばかりである

他の服にこだわりを持ったタイプは、そもそもこの世でやり切った感があるので、あまり化けて出ないのである

服にこだわり、人生にこだわる

これに尽きるのではないのだろうか




あなたもユニクロタイプにならないように




ご用心ご用心

次世代エネルギー論

今回はちょっと趣向を変えて、真面目に未来のエネルギーについて考えてみたいと思う


2、30年前から枯渇する枯渇すると言われ続けている石油は、未だに我が国や世界で主要なエネルギー源として利用されている

しかし二酸化炭素排出に関して世界的に制限していこうという流れの中で、石油に頼り続けることは出来ないであろう

二酸化炭素をあまり出さない原子力発電は、しかし原子力災害の危険性や放射性廃棄物の処理問題が山積みである

風力発電太陽光発電などのクリーンエネルギーには今期待が高まっているが、電力の安定供給やコストに課題が残っている


しかし、俺にはまだ世界が注目していないエネルギーの有効利用についての構想がある




それはデブエネルギーである




肥満率の増加



肥満に関しては世界的に問題になっている

農業や工業の近代化により、昔の様に肉体を酷使する仕事は減ってきている

また食料に関しては、世界的に欧米化したりジャンクフードが増え、高カロリーなものが多い

これらの要因も絡み、肥満率は世界的に急増している




俺だって169cmで120kgあるので他人事ではないのだ




肥満は個人の健康を害するだけでなく、医療費の増加にもつながるので、各国が対策に乗り出しているが、あまり効果はないようである


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肥満を活用せよ



この肥満を有効利用出来ないのかというのが俺の構想である

具体的にはお腹をちょっと改造して、シガーソケットの様におへそから体のエネルギーを取り出すのである

おへそは元々は胎児の時に母体から栄養を取る管である



元々エネルギーをやり取りする器官なので、改造は難しくないはずだ



この改造により、車を走らせたり、家のコンセント代わりに使ったり出来るようになる

もうモバイルバッテリーなんて持ち歩かなくても、いつでも自分から充電出来るのだ!!



モテも変わる!?



こうなってくると、細身がモテる今の価値観も変わるかもしれない

例えば彼女とのドライブ

デブは「君の為ならどこまでも好きな所に行くよ」と言えるのに対し

ガリ


「え〜、俺あんまり遠いところに車で行くと、途中から体が震えだして寒くて寒くてたまらなくなっちゃうんだよなぁ」


となるし

長距離ドライブが終わった頃には痩せているデブに対して

ガリだった方は骨と皮だけのおじいちゃんみたいになっていることもざらであろう




デブの方が圧倒的にスマートである!!




こうなると「やっぱり男の人は太ってないとね〜」となって、女性の価値観も変わるし


MEN'S NON-NOだってデブ特集とかやり出すはずである



資源大国アメリ



話を純粋なエネルギーの話に戻そう

エネルギーは産業に取って必要不可欠なもので、国の経済力の基盤にもなっている

デブがエネルギー源になってくると、もはやデブの人数が国力と言っても過言ではなくなってくる

今中東の産油国オイルマネーで潤っているように、デブマネーで潤う国だって当然出てくるのだ

ひょっとしたら世界の勢力図が塗り変わるかも知れない……

そんなことを考えていた時、俺はあることに気付いて戦慄した




アメリカはデブの分野でも圧倒的ではないか!!




現在、経済・軍事・IT・宇宙開発等ほぼ全ての分野で世界一のアメリカだが



まさかデブの分野でも世界一とは!!




ひょっとしたらデブが次世代エネルギーの鍵を握ることにいち早く気付き、量産体制を整えていたのではないかと思うくらいのデブっぷりである



U.S.A!!


U.S.A!!




と盛り上がるアメリカンデブ達の姿が目に浮かぶようである


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まとめ


原油の生産量というと中東、特にサウジアラビアが高いイメージだが、実はシェールに関する技術の発展で、近年の原油生産量はアメリカが1位なのである

そしてこのブログのように、新しいエネルギーの時代になってもやはりアメリカがリードすることになりそうである

改めてアメリカという国の強さ、底力を再確認する結果になった

空手の先生の思い出(後編)

前回までのあらすじ

高校時代空手部員だった俺は、ブロック割りを失敗したことはなかった

そろそろ2枚に挑戦したいと思っていたが指を負傷

いつもの1枚でもどうかという時に、先生に2枚へのチャレンジを勧められたのである!!



そして失敗する



ブロックの前に立ち精神を集中させる

ブロックを割る時のフォームを意識しながら、1回、2回とゆっくりとブロックを叩いてみる

そしてまた正面に立ち、今一度集中


「押忍!!」


の掛け声とともに、素早く腕を振り回しブロックを叩く!!


がっ、割れない!!

失敗だ!!


2枚に重ねられたブロック

その内の上段1枚は割れたが、2枚目にはヒビすら入っていない


「ダメだダメだ!!もう1回!!」


先生の檄が飛ぶ

しかし負傷した俺の指は限界を超え、ちょっと痙攣しだしていた




正直負傷した状態で1枚割っただけでも褒めて欲しいものである




それでも「……押忍」と力なく答えて再度チャレンジする

しかし「割れる訳がない」と思っていて、当然力が入るはずもない

2回目は1枚目のブロックを割ることすら出来ずに失敗に終わる

打ち終わりの姿勢が悪かったのか、土台が崩れて上段のブロックがズレて落ち、落ちた拍子に乾いた音を立てて割れた


「やはり乾いてると割れやすいんだな」

「こんなに乾いてるブロックすら割れなかったのか」

という思いが交錯する




「気合いが入っていないんだよ気合いが!!ぶったんるんでるんじゃねえぞ!!」




俺の割れる訳がないという気持ちを見透かされたのか、先生が声を荒らげる


しかし、気合いが入っていない訳ではなく




ないのは俺の指の感覚である




だんだん先生の言葉にも腹が立ってきた



先生が手本を見せる



「俺が見本を見せてやる!!」


と、先生が言い出し、先生がブロック2枚割りをやることになった

しかし、俺は先生が2枚割っている所を見たことがなく、本当に割れるのか疑問であった




1枚の時でもブロックに切れ目入れたりしてるくらいだし




若い時なら割れただろうが、先生ももう55歳を過ぎている

だんだん先生の言葉にもムカついてきていた俺は、「やれるもんならやってもらいましょうか」という気になっていた

しかし、先生が2枚割りをやろうとした時、部長がこう言った


「先生、もうブロックがありません!!」


なんと、もう試し割り用に買ったブロックを全部割ってしまって、ないのだという

さっき俺が割れなかった下段のブロックが1枚あるが、上段は落として割ってしまった為、あと1枚足りない


「どっか1枚くらいそこら辺に転がってないのか!!探して来い!!」


そう言う先生にうながされて、校内を探し回る事になった



ブロック探索隊



校内を探しながら俺は考えた

ブロックは乾いていると割れやすい




ならば、なるべく湿ってるのを探そう




あのジジイ(先生)にムカついていた俺は、なんとか一泡吹かせてやりたいと考えていた


湿り気……つまり水……




プールなんかはどうだろう?




急いでプールに向かう


俺より先に他の部員が乾いたブロックを見つける前に、湿ったブロックを見つけなければならないのだ!!


プールの基礎のコンクリートの下、日陰になったスペースを探していると、それはあった




まるで、天空の城ラピュタに出てきそうなくらい、湿り、苔むしたコンクリートブロックが!!



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殺せる!!




このブロックならあのジジイを殺せる!!




喜び勇んでブロックを手に取り、格技場に戻る


良かった!!まだ他のメンバーは帰ってきていない!!


持ってきたスタジオジブリ作品のようなブロックを試割り用の土台にセットし


「先生、準備が出来ました!!」と報告する


先生はその苔むしたブロックを一目見るなり




「……ずいぶん湿ってるな」




酷く嫌そうな顔をしたが、他のブロックを持ってこいとは言えずそのままやることになった



先生のターン



さあ、目に物見せてもらいましょうか……

みんなが見守るなか、先生がブロックの前に立つ

心なしか、いつもより予備動作が多く念入りな気がする

予備動作を終えて、今一度ブロックの前に立つ




「チェストーーーーー!!」




かなり独特な掛け声を上げて、先生が鉄槌を振り下ろす!!



乾いたブロックはちゃんと割れると「カラン」というような高い音がするが、湿っているせいか「ドゴォ」という様な低い音がした




お見事!!先生は一撃でブロック2枚を粉砕していた!!




これにはさすがに参りましたと言わざるを得なかった

かくして、先生は俺たちとのレベルの差を見せつけ、面目躍如を成し遂げたのである

ちなみにその後俺は万全の体調で乾いたブロック2枚に何度か挑戦したが、結局2枚割りを成功することは出来なかった

それを考えても、55歳過ぎの先生が、しかもかなり湿ったブロック1枚を含む2枚割りをしたのは、本当に凄いことなのである



赤帯



これは俺がOBになってから後輩に聞いた話だが、先生がある時急に赤い帯を着けて来たらしい

なんでも、自分が元々空手を習っていた本家(?)から10段として認められて、進呈されたとのこと

たぶん凄いことなのだろうが、後輩からは「急に赤い帯着けて来たんで、とうとうボケたかと思いました」と言われていたが、お元気そうで何よりである

空手の先生の思い出(前編)

俺は高校時代空手部に所属していたのだが、そこに月2、3回指導に来てくれる外部の先生がいた

当時55歳過ぎで、空手道場の師範という訳ではなく、某自動車メーカーに勤務しているサラリーマンだった

しかしその先生が音頭をとって、8つくらいの空手の町道場を集めた合同の大会を開いたりもしていたので、そこそこ名の知れた人だったのだと思う

その先生の話



ブロック割り



その先生は道場こそ持っていないが、自分の流派を持っていた

俺たち空手部員は、その流派の昇段・昇級審査を受けることになる(審査はその自動車メーカーの体育館でやっていた)

その流派で黒帯を取るためには、ブロック割りを成功させなければならない


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写真の様に軽量ブロック1枚を、拳を握り小指の付け根側を振り下ろす鉄槌という動作で割るのである

これに失敗し、俺の代の部長と副部長がそれぞれ1度骨折したことがあるので、そこそこ難しい技である



昇段審査とは別に、このブロック割りをやる機会がある

それは、俺たちの高校の文化祭の時に、空手部の演武会を行い、そこで様々な演武の1つとして行うのである

演武会では先生もブロック割りをやるのだが、俺ら高校生と同じではつまらないのと、先生の派手好きな性格からちょっと趣向が凝らされていた




先生の時だけは、ブロックに灯油を撒いて火をつけていたのである




演武会は学校の中庭でやっていたので、何かに燃え移る心配はさすがになかった

しかしよく考えると、教師でもない外部の男が中庭に灯油を撒いて火をつけているというのは、現代の感覚ではちょっと異常である

しかも火をつけることによって別に難度が変わる訳ではなく、ただただ見た目の派手さのみである

その上先生は演武会等ここぞという時はブロックに切れ込みを入れて割れやすくするイカサマをしていたので、難度的には俺ら以下であった



ブロックを割るには



さてさて、そんなブロック割りであるが、割る為には色々とポイントがある

筋トレをして、正確なフォームで、振り下ろした時に上手く体重が乗るように、等色々ある


しかし、1番重要なのはブロックをよく日に当てて乾かすことである


コンクリートブロックは、濡れていると粘性が出て割りづらくなるのである


したがって日々の鍛錬よりも毎日ブロックをよく陽のあたる場所に置くことが上達の近道になる


……これをイカサマと言うなかれ


だってブロック割りをするとは言ってるけど、それを乾かしてないなんて一言も言っていないのだから


切れ込みを入れるのはさすがにアウトだと思う



さてそんなブロック割りであるが、俺は体重があることもあり、1度も失敗したことはなかった

そうなって来るとやってみたくなる事がある




ブロック2枚割りである




俺はいつか2枚に挑戦したくてウズウズしていたのだが、それを自分から言うのは少しためらわれて言い出せずにいた

そんな時についに先生からるか「お前2枚に挑戦してみるか?」と言われたのである




最悪のタイミングで




空手とは気合いである



それは忘れもしない文化祭が1ヶ月後に迫った時期であった

このくらいから文化祭での演武会に向けて、演目を決めたり本格的な練習に入っていく

俺の友達は四方割りという、自分の前後左右の板を割る演武をすることになった


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これの板を持つ係を俺もやることになり、1番最後の大技、かかと落としを板で受けることになった

かかと落としというのは、脚を高く振り上げて、相手にかかとを落とす蹴り技である


この練習中にハプニングが起こった


友達の振り降ろしたかかとは板の中央を少しズレ、板を支える俺の右手薬指に命中したのである

かかとと板に挟まれた俺の指の爪は、割れはしなかったものの血が出て、爪は紫になっている



痛い、めちゃめちゃ痛い



先生も「おい大丈夫か?」と心配してくれて、マネージャーも絆創膏を持ってきて手当してくれた

この後は俺のブロック割りの番であるが、さすがにこれでは練習にならなそうである

そう思っていると、先生がこう聞いてきた




「出来そうか?」




……やったことのない人にはわからないかもしれないが、空手の世界において気合いの入っていない返答をすることはを意味する


具体例を上げよう


俺の先輩にかの有名な極真空手出身の人がいた

極真空手では腹部を鍛えるために、みんなが仰向けに隣り合わせになって寝そべり、その腹を勢いよく師範が踏みつけていくという荒行があるという


それはかなり痛くキツイらしい


師範が何往復かしてみんなの腹部を踏みつけ、その鍛錬もようやく終わる

先輩はようやく終わったかと胸を撫で下ろしたという


その時




「もういっちょお願いします!!」




と、どこかから聞こえるもういっちょの声


そうすると師範も嬉しそうに「よし!!もういっちょいくぞ!!」と言って


その人だけを踏む訳にはいかないので、みんなをもう1往復踏んでいく


先輩は「もういっちょ」した奴にかなりムカつきながらも、今度こそ終わったかと思っていると




「もういっちょお願いします!!」




先程とは別の場所から聞こえる「もういっちょ」の声!!


かくして、鍛錬が終わりそうになる度にみんな自分が気合い入ってる所を見せようと「もういっちょ」して、延々にその鍛錬は繰り返されたという…………



そのくらい空手とは、気合いを見せるスポーツと言っても過言ではないのである

指を負傷していようがなんだろうが、先生に「出来そうか?」と聞かれたら


「出来ます!!」


と言うしかないのである……


そう答えると先生も満足そうにうなずいた



負傷した指をにぎにぎして確認してみる

かなり痛いが、ブロック割りは失敗したことはないし、ギリギリいけるかもしれない

そう思ってブロックの準備をしていると、突然先生がこう言った




「お前そろそろ2枚に挑戦してみるか!!」




2枚はいつか挑戦したいと思っていた

ウズウズしていた




しかし、なぜこのタイミングで言い出した?




オマエオレガケガシタノミテタダロウガーー!!



……しかし、先程述べたように




空手とは気合いを見せるスポーツ




俺の返事は



「押忍!!やりたいです!!」




しか選択肢はなかったのである…………


(つづく)

盗撮をバラされた話

俺の高校の後輩であり仲の良い女友達であるU子さんという女性がいる

彼女本人は認めたがらないがかなり天然で(天然の人は認めたがらないものである)、その天然さゆえに色々と誤解を生じさせたりトラブルになったりすることがある

今回はその被害がこっちに来た話



ホラーゲームが怖い



俺はその当時「零〜紅い蝶〜」というホラーゲームをプレイしていた

俺はホラーゲームが好きで、バイオハザード1、2や、サイレントヒルの2、4をプレイしたこともあった

だがそれらのゲームは少しプレイして途中でやらなくなってしまった



理由は怖いからである



自分でも不思議なのだが、ホラーゲームが異常に怖いのだ

現実のお化け屋敷や心霊スポット、あるいは夜の廃墟や山を1人で散策するのは全く大丈夫なのである

それなのになぜこんなにホラーゲームが怖いのか、そして怖いのに新しいゲームをやってみたくなって買ってしまうのか、自分でも不思議なのである



零〜紅い蝶〜



さて、この「零〜紅い蝶〜」というゲームであるが、日本を舞台にした純和風テイストのホラーゲームである


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多くのホラーゲームではなんらかの形で幽霊やゾンビ、怪物と戦うが、このゲームでは射影機というカメラを使って幽霊と戦う(除霊する)ことになる


これは実に画期的なシステムであった


銃で倒すゲームと違い、遠くにいる敵を狙ったりしてもほとんどダメージは与えられない

ファインダーを覗きながら自分にゆっくりと迫る幽霊をじっと待ち、幽霊が自分にギリギリまで近付いた瞬間シャッターを切る


こうしないとダメージを与えられないのだ

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ファインダーを覗いた状態



これがめちゃめちゃ怖い




逃げ出したい、あるいは早くシャッターを押したくなる心をじっと抑えて幽霊を引きつける恐怖


これが零シリーズが他のホラーゲームと一線を画す部分であった



ホラーゲーム攻略法



そんな怖いゲームであるから、当然俺は途中からプレイするのが嫌になってきた

しかしそんな怖いゲームにも一服の清涼剤とでもいうべき、楽しみな要素があった


キャラクターが可愛いのである


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(画像右がプレイヤーが操作する主人公、左が主人公の姉)




そんな可愛いキャラクターに釣られてなんとかめげずにゲームを続けていく

そんな中で俺はある画期的なゲーム攻略法を思い付いたのである




名付けてパンチラ盗撮攻略法




説明しよう!!

この攻略法はこのゲームをホラーゲームではなく、主人公のお姉ちゃんのパンチラを撮るゲームだと脳内補正する事により、エロさで恐怖に打ち勝つことが出来るのである!!



写真を撮るゲームである


キャラクターが可愛いくて短いスカートを履いている


この2つの要素の奇跡のコラボにより、このゲームは生まれ変わったのだ!!



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こうなれば幽霊が出てきても怖くない


パンチラを撮るのに邪魔になる障害(幽霊)は排除するのみである



ここからU子さんの話



と、ここまで読んで皆さん覚えておられるだろうか?

このブログはそもそも、俺の後輩であり女友達のU子さんの天然さについての話だったはずである

実はここまでの「零〜紅い蝶〜」の話はこれからの話の前置きだったのである(えらく長い前置きになったが)



ここまでのブログと同じ話を俺から聞いたU子さん、面白かったのかとても笑ってくれていた

そしてその数ヶ月後、俺とU子さんとU子さんの女友達ⅹ2と遊ぶ機会があったのである

彼女のいない俺としては、初対面のその女友達に淡い期待を抱いていたりもした

そんな時にこの話を思い出したのか、U子さんが突然こう言い出したのである



あっ、そうだ!!先輩がこの前話してくれたパンチラ撮る話、面白かったからみんなにも話してあげて下さいよ!!




先輩がパンチラ撮ったあの話!!




あろう事か、ゲームでの話であるとか、そもそもパンチラを撮るゲームですらなく恐怖心を克服する為にあえてやっているとか、そういう前提抜きに俺がパンチラ撮ったパンチラ撮った言い出しやがったのである




女友達2人は汚いものを見るかのように俺を見て、顔をしかめている




かくして、俺は自己弁明の為にしどろもどろになりながら、「零〜紅い蝶〜」の話をすることになったのである……



まったく



優子さんの天然もいい加減にして欲しいものだ

ももクロのライブに行く

昔友達に誘われてももいろクローバーZのライブに行ったことがある

ライブといっても人気があったので、単独ライブではなく夏の野外音楽フェスだったが

そのフェスでの話



ももクロに興味が出ない



俺の仲の良い友達2人がその当時ももクロに激ハマリしていた

ちなみに2人ともキモオタ系ではなく、見た目はイケメンだし、そもそも普段はスリップノットとかのハードコアやラウド系とかを聞いている連中なのである



それが一体なぜももクロ



俺にはさっぱりわからなかったし今もわからないが、彼らが言うにはももクロとメタルやハードコア系の音楽とは親和性があるとのこと

その彼らがももクロのCD等を貸してくれるがイマイチハマらない

そもそも俺はアイドルとかが好きではないし、メタルもハードコアも好きではないのだ


スリップノットの曲を聴いた俺の感想は


「ずっとMotherFucker連呼しててうるさい」


だったのだから


ももクロのCDを聴いてもハマらなかった俺だったが、「ライブに行けば良さがわかるから!!」と説得されてライブに行くことになったのである



友が余計な物を持ってくる



確か真夏の8月だったと思う




暑い……




とにかく暑い




俺はそもそもライブ自体ほとんど行ったことがなかったが


真夏の野外フェスがこれほどキツイとは……


元々暑い時期なのに、 でもうウンザリする

そんなクソ暑いなか、友達がとんでもないことを言い出した




「このマスクを被れ」




見ると、何やら手にももクロをイメージしたプロレス風のマスクが


実はこのマスクには見覚えがあった

数ヶ月前に行われた友達の結婚式で、余興でももクロの「チャイマックス」という曲を裸にふんどし、それにプロレス風マスクという出で立ちで、俺や友達数人で踊ったのである


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結婚式の余興の写真


このマスクは別にももクロが何かのPVで付けてたとか、そういうことは全くなく、たんに俺の友達がももクロのメンバーをイメージして夜な夜な手縫いした代物である


……なぜこんなものを、このクソ暑い時に


嫌がる俺だが、友達はしつこく食い下がる

その熱意に折れて、ももクロのライブ中は俺も付けることになった




ちなみに友人はフェスの間中ずっと付けていた




ヲタのゾーンに紛れ込む



そんなこんなでフェスも過ぎていき、いよいよももクロの出番となる夕方になった

前の出演者の出番が終わると、サッとステージの近くに移動して陣取る

やはりステージ近くは濃さそうなヲタばかりで、熱気がムンムンとしている

……果たしてこんな良い場所を、俺のようなファンですらないニワカが占有してしまってよいのだろうか?そんな思いがよぎる



いよいよももクロのライブが始まった!!



俺もとりあえず友達の言い付け通りももクロのマスクを被る

さすがステージ前である

俺の友達含めて、周りの人達はみんなももクロの曲に合わせて踊っている

みんな振り付けを覚えているようで、適当な踊りではなくちゃんと同じ踊りだ




しかし、俺にはさっぱりわからない




ステージ前のかなり良い場所にいながら、周りに一切合わせず腕組みして仁王立ちするしか出来ない


しかし、これは周りの人々にはどう見えているのだろうか?


一見すると振り付けも分からぬニワカに見えるが、そのオリジナルのマスクから只者でない雰囲気を濃厚に臭わせている



なんとなく周りがザワついているような気がする……



そして動き出す



ももクロのライブも佳境に入ってきた

3曲4曲と歌いあげ、会場も盛り上がっている




そんな中でも未だに動かぬマスクマン




周りの人達も最初こそ微動だにせぬマスクマンに怯えもしたが、ここまで動かないと「おいおい、置物かよw」と嘲りが強くなってくる(全て妄想であるが)

俺も「せめて踊れないまでも体でリズムくらい取るすべきだったか?」と、ずっと仁王立ちな事への後悔が少し入り交じりだしたその時……



夏菜子「それでは次の曲は〜!?チャイ!!マックス〜〜〜!!」



ももクロの赤い奴が言う曲名には聞き覚えがあった




そう、この曲は結婚式の余興で踊った曲である!!




仁王立ちの封印を解き、突如水を得た魚のように完璧な振り付けで踊り出すマスクマン




この曲は結婚式の余興の為に血が滲むような練習をしたのである




そんじょそこらのドルオタに負ける訳がない




終始圧倒的なパフォーマンスで踊り狂い、チャイマックスの締めの武藤敬司のあのポーズを決める

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(本当にチャイマックスの最後はこのポーズなのである)



そしてポーズの残心から、またゆっくりと仁王立ちに戻る




こうして




謎のマスクマンはももクロのライブが終わるまで、また仁王立ちし続けたのである