クソニート牧場の日記

37歳のクソニートが新たな道を模索しています

坊主が多すぎる

俺の血筋はいつ絶えてもおかしくないくらい親族が少ないのだが

2014年の9月2日に母方の叔父が、同年9月16日に母方の祖母が、同年11月1日に俺の父が亡くなった

なんと、ただでさえ少ない親族が2ヶ月以内に3人も亡くなったのだ


誰も生命保険に入っていなくて本当に良かったと思う




入っていたら、保険会社でウチの母は林真須美とあだ名されていただろう




ちなみにこの3人の葬儀は同じ葬儀屋にお願いしたのだが、葬儀屋も叔父と祖母の葬儀の打ち合わせに参加していた父の葬儀を2ヶ月後に行うことになるとは思わなかったのではないか


2ヶ月に3回も葬儀するとは葬儀屋のお得意様である


葬儀の進行手順等を書いた紙などは3回目に関しては「もう持ってるからいいですよね」等と端折られたりもした



そして2年後に三回忌法要がやってきた

亡くなった時期が近いので、3人まとめてお寺で法要してもらうことになった

元々親族が少ないのと予定が合わなかった者もいて、法要には俺含めて5人しか参列者はいなかった

お寺に行くと50人は入れそうな中ホールに案内された

今まで20人程しか入れなそうな小ホールしか使ったことがなかったのでビックリした

5人しかいないので一緒に座りたいものだが、喪主や何親等かで座る位置が違う為に、バラけて座る感じになってしまった



そしていよいよ法要が始まる


ウチのお寺はお坊さんが3人いるのだが




入口からお坊さんが3人入ってきた




今までは法要につきお坊さん1人しかいなかったが、今回は3人まとめての法要だからお坊さんも3人来たのであろう

死者1人に対してお坊さん1人のマンツーマンだと考えると普通なのかもしれないが、こっちの参列者は5人しかいないのである


参列者5人に対して坊主3人は多すぎる!!




計算してみると参列者1人に対して0.6坊主である




完全に坊主過剰だ




参列者が5人しかいない為にお焼香もすぐに終わってしまい、気まずい感じで法要は進行していったのだった……



そして月日は流れ今年は7回忌であるが




去年別の叔父が亡くなったのでさらに親族は減って行われる予定である




(あっ、でも姪と甥が生まれたから人数は増えるや)



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外国人に宗教勧誘される

スポーティーな自転車に乗り、服装はスーツにヘルメット、外国人2人組(たまに片方日本人)の人を見かけたことはないだろうか?



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彼らは宗教の勧誘や英会話スクール(無料)のお誘いをしてくるのだが、一時期やたら声をかけられることがあって、1ヶ月の間に3回声をかけられた


俺がよほど人生に行き詰まった顔をしていたのだろう


「こんにちは〜」と流暢な日本語で声をかけられた

話しかけて来たのは白人の男性2人組で、20代中盤くらいと思われた

「ちょっとお時間いいですか?」と言われて、暇だったので応じることにした

軽く神様について説明された後、「何か質問はありますか?」と言われた

俺は昔仏教に興味があり色々調べたことはあったが、そういえばキリスト教では疑問なことがいくつかあるのに気付き


キリスト教には地獄はあるのか?


神が全知全能なら地獄も神が作ったのか?


全知全能なら人間が罪を侵さぬように創れなかったのか?


旧約聖書にある知恵の実のくだりは、そもそも騙した蛇も騙された人間も神が創ったのなら、神の監督責任ではないのか?


罪を犯していない人間が天国に行けるなら、生まれたばかりの子供が死ぬのは良い事なのか?


等といった質問を矢継ぎ早に繰り出した

その質問をした後の白人青年のリアクションを俺は生涯忘れないだろう




こいつ面倒くせ




こいつ面倒くせ




という顔をしたのだ


そして彼はこう言った




僕神様じゃないんでちょっとわからないです




あまりのことに呆然とした俺を取り残し、2人は自転車で去っていった……




えっ、ちょっと何?




えちょっと何なの?




宗教の勧誘にあって、面倒くせって顔をするのは




本来勧誘された方のはずではないか




まさか勧誘した方にその表情をされるとは……


そもそも彼らは宣教師なのだろうか?

あの宗教はキリスト教のどんな宗派なのか?


そういった疑問が湧いてきた俺は、「外国人 自転車 スーツ 宗教」で検索してみた

どうやら彼らはモルモン教徒(キリスト教の一派)で、宣教師ではあるが司祭等のポジションにあるわけではなく、一般の信徒が外国に宣教しに行くことを強く勧められていることがわかった



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なるほど、ガチモンの司祭ではなくて、一般信徒なら




外国であんな面倒な問答を吹っかけられたら、面倒臭そうな顔をするのもうなずける




ちなみにこのモルモン教、見知らぬ外国に行き宗教の勧誘をするというかなり過酷な経験をする為、マーケティングや相手のニーズを引き出すテクニック、そして何より度胸がついてビジネスで成功する人が多いそうな



……ここまで調べてあることに気付いた

結果的に非常に興味が出て調べてしまったので




彼の対応は100点満点であった




しかし、古今東西あらゆる宗教において、神の御心や心理を尋ねられた際に




僕神様じゃないんでちょっとわからないです




と言うのは




1つの究極の真理だなと思いました

お祭り男がやってきた

俺は神奈川住みだが、こっちから三重県に引っ越した友達がいるので会いに行った

仕事をやめたばかりで時間もあったので、和歌山や大阪等を車で回った後、三重県に入った

お金がないので、三重県に着くまで3、4日程車中泊していたと思う

ろくに風呂にも入っていなかったから、友達との待ち合わせはスーパー銭湯にして、小汚い身なりを整えてから会うことにした



スーパー銭湯名張の湯



名張の湯というスーパー銭湯で友人と落ち合う

時間もあったから、待ち合わせの数時間前に入り風呂を楽しんでいた

ここはお風呂の数も多く、追加料金を払えば岩盤浴もある

そして、ここだけにしか俺は見たことがない異色のサービスがあるのだ




マンガを持って岩盤浴出来るのである




マンガを置いてあるスーパー銭湯は少なくない

むしろ最近は置いてあるマンガの量をウリにしてホームページ等に書いてあり、さながら風呂に入れるマンガ喫茶といった様相を呈している

しかしながら、マンガを読めるのは休憩所に限られており、浴室や岩盤浴に本を持ち込むのはご法度であった




しかし名張の湯では岩盤浴に持ち込むことが出来るのである!!




岩盤浴は寝転がれる温度が低めのサウナの様なもので、 体がポカポカして気持ちがいい

サウナよりも長い時間楽しめるが、岩盤浴はどこも私語厳禁であり、その長い時間が手持ち無沙汰になることはサウナーの間でも頭痛の種であった

しかし、ここ名張の湯では、マンガを持ち込めることによってこの問題が解決された




まさに理想郷である



お祭り男がやってきた



そんな理想郷を友達が来るまでの数時間楽しんでいた

岩盤浴は何種類もあり、寝転がる低温のものから、高温で汗ばむ座るタイプのものまで様々である

その高温のサウナのような岩盤浴に入っていた時のこと、突然ジャンボ団扇を持った2人組の男達が入って来た

男達は「これからロウリュウサービスを始めます」と宣言し、そのロウリュウなるものの説明を始めた



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なんでも、ロウリュウ(ロウリュ)とはフィンランドのサウナ入浴法で、水やアロマオイルを熱した岩盤にかけて、その水蒸気で温まるのだという

しかし、そのジャンボ団扇を持った男達の姿は、どう見ても『和』そのものであり、IKEAに代表される北欧チックさは微塵も感じることは出来なかった




そして男達はバケツに並々入ったアロマオイルを、室内中央の高さのある岩盤にぶっかけた




そしてそのアロマを拡散させる為




ワッショイ!!
ワッショイ!!




と叫びながら団扇を扇ぎ始めたのだ



フィンランド人が見たら


「そうじゃない、そうじゃないだろ」


と言うに違いない



祭りに参加する



室内中央の高さのある岩盤にアロマオイルをぶちまけ、そこを扇ぐ2人の男達




ワッショイ!!
ワッショイ!!




テンションも最高潮である


すると、お祭り男の1人がこう言った


「お客様の中で扇いでみたい人はいますか?」


そう言われると、俺も年中お祭り男である

当然手を上げて、参加することになった(ちなみに参加したのは俺だけであった)

1人からジャンボ団扇を受け取り、もう1人のスタッフと一緒に室内中央の岩盤を扇ぐ




ワッショイ!!
ワッショイ!!




しばらく扇ぎ続ける


すると、中央の岩盤を一緒に扇いでいたもう1人のスタッフが、今度は座っているお客さんの方を周り出してお客さんを扇ぎ出した

俺もスタッフに促されて、スタッフとは反対側の方の席に回り、お客さんを扇ぎ始める




ワッショイ!!
ワッショイ!!




テンション高くお客さんを扇ぎながらも




なぜ俺が他の客を扇がなければいけないんだろう




という疑問で頭がいっぱいであった



友達が来る



そんなこんなで友達と待ち合わせの時間になった

岩盤浴は別料金なので、友達と待ち合わせしたのは普通の銭湯の方である

友達と会うとさっきの岩盤浴の話になり




「凄いね!!ここの岩盤浴!!まるでお祭りじゃないか!!」




とテンション高く力説していると、友達が何やら怪訝そうな顔をしていることに途中で気付いた

後でわかったのだが、友達は岩盤浴の方は入ったことがなく、ロウリュウサービスを知らなかったのだ

それに気付かなかった為、途中まで


「急にお祭り男達が入ってきて〜」


「バケツに入ったアロマオイルをぶっ掛けて〜」


「俺も祭りに参加した」


等とカオスなワードで俺が熱弁する度に




あっ、極度の湯あたりが脳にまで




と友人には思われてしまったのであった……



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エンゲル係数の高い家

ある日友人がマヌカハニーというハチミツにハマっているという話を俺にした

なんでもそのマヌカハニーは「マオリ族の秘薬」とも呼ばれ、非常に栄養価が高く、体内で抗菌作用を持つなどとても体に良い伝説のハチミツらしい

世界のセレブ達にも愛用されていて、友人も最近食べているのだという

そこまで聞いてふとその名前に聞き覚えがあることに気付いた

当時は実家暮らしだったのだが、実家にあるハチミツがそのマヌカハニーな気がしたのだ

俺「ウチにもマヌカハニーあってよく食べてるよ」と俺が言うと、「いや、そんなことはないでしょ」と友人は否定してきた

友人「マヌカハニー伝説のハチミツでそんじょそこらの一般家庭にあるものじゃないから。それにあれはハチミツとして食べるというか、薬みたいに毎日1口ずつ食べるものだし。それに安いのでも1瓶5000円くらいするよ?」

確かにそのような食べ方はしていないし、そんなに高いのでは俺の勘違いだろうという結論になった


しかし家に帰るとあったのである!!そのマヌカハニーが!!




なんということだ!!俺は既に伝説を食べていたのだ!!




それも普通にパンに塗って食べていた




しかもこのマヌカハニー薬臭くてクソ不味いのである

俺は不味いな不味いなと思いながら伝説を食べていた


そしてこのマヌカハニーめちゃめちゃ粘度が高くて塗りづらいのである

俺は塗りづらいな塗りづらいなとイライラしながら伝説を塗っていた




伝説に対して失礼過ぎるだろ




ちなみにそんな高価な食品があるのは、ウチがお金持ちだからという訳ではなく、支出に対する食費の割合(エンゲル係数)が異常に高い家だからだ

いつだったか、高級な霜降り肉をすき焼きで食べた時は、肉から脂が次々とシミ出してきて非常に美味であった

どれくらい脂がシミ出してくるかというと、次の日余った肉を俺がフライパンで焼いて食べたのだが、シミ出した脂が気化して床がヌルヌルしたスケートリンクの様になり、その床を犬が舐め続けていたくらいだ




まさに食通ならではのエピソードである



という訳で、皆さんも食通を気取るなら、1度は自宅の床をスケートリンクにして頂きたいものである



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泳げないライフセーバー

俺の交友関係には色々とヤバイ(反社会的という意味ではなく)人が多いのだが、これは高校の後輩女性の話

最近スポーツジムで水泳を教えているというその女性

その話を聞きながら、ふとあることに気付いた


俺「あれ?確か前泳げないって言ってなかったっけ?」


後輩「ええ、泳げないですよ」



泳げないのに水泳を教えているとはどういうことなのか?



聞いてみると、幼児教室で凄く浅いプールで教えているのだという

後輩「泳ぐの教えるのは無理ですけど、水中で目を開ける練習とかなんで大丈夫ですよ」



後輩「まあ私は目開けられないですけどw」



自分は出来ないくせに、幼児には「頑張れ〜」とか励ましながら教えてるのだという




完全に詐欺である




その話を聞きながら、俺は更にあることに気付いた

俺「あれ?でもライフセーバーの免許持ってなかったっけ?」

そうなのだ、彼女はそれ系の特殊な専門学校卒で、ライフセーバーの免許と救急救命士の資格を持っているのだ

俺「ライフセーバーの資格取るには泳げなきゃダメなんじゃないの?まさか泳げなくても取れるの?」

そう聞いてみると、驚愕の事実が判明した

彼女は、正確には泳げないというか、泳いでる時に息継ぎが出来ないらしい

泳いでる時に息継ぎをしようとすると、水が鼻や口に入ってしまってパニックになるという

確かに、息継ぎが出来ないのでは「泳げる」とはちょっと言えないかもしれない

そして、やはりライフセーバーの資格を取るためには泳げなければダメで、25mプールを泳ぎきらなくてはいけないらしい




後輩「だから、ライフセーバーのテストの時は、25mプールを息継ぎなしで泳いだんですよwww」




……自分が岸から25m離れた海で溺れていると考えてみよう



息継ぎなしで25mを泳いで颯爽とこっちに向かってくるライフセーバー



しかし、こっちにたどり着くと溺れている自分にしがみつき



「ハヒィィィ!!ハヒィィィ!!だっ、ハァ!!ハァ!!…………大丈夫ですか?ハヒィィィハヒィ!!」



こんな奴には絶対に助けられたくないし、そもそも助けるのは不可能である



俺「お前息継ぎ出来ないのに、ライフセーバーやってて溺れた人いたらどうするんだよ!!」

と俺が言うと




「近くにいる人に助けを呼びに行きます!!」




と、自信満々に答えていたが




そんなことは俺でも出来るわ!!




口論になって、最終的には浮き輪で助けに行くと言い出したので、頭が痛くなってきてこの話は打ち切りにしてしまった……

という訳で、皆さんもライフセーバーだからといって、安易に泳げる人だと思わないように

そして、次からのライフセーバーのテストは、息継ぎしないとどうにもならない50m以上で行って頂きたいものである



追記(本文を書いた後に調べたが、ライフセーバーは50m以上泳ぐとか、立ち泳ぎ2分とか色々やれないとダメみたいである。俺もだいぶ前に聞いた話なので、このブログは話半分でお願いしたい……)



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伊豆1周の旅①〜磯の香りがしてきた話〜

修行というものになんとなく憧れがあった20代前半

「そうだ、寝袋とかの荷物を背負って伊豆まで行こう!!」と思い立った

自宅は横浜だったので、目的地である無料温泉のある伊豆の雲見までは150kmオーバーだ

それまでも自転車で山梨県富士五湖を経由してから伊豆半島を1周したことはあったが、徒歩はさすがに初めてである

実はこの計画の段階では伊豆半島を1周するつもりはなく、伊豆半島を北東から南西に斜めに縦断する予定であったが、トラブルにより結果的に1周することになった

その経緯はまた別の機会に話そうと思う



準備をする



修行というからには荷物は重いほうがいい

食料にサバ缶などを大量に買い込み、荷物の重さは30kgオーバーになった

30kgくらいならリュックに背負えば何とかなりそうなイメージだったが、実際に歩くと非常にしんどかった

今ならわかるのだが、縦長のリュックに荷物を詰める場合、下段に軽いもの、中から上段に重いものをパッキングするのが基本である

そうすることで、重さが背中に乗り、負担が軽くなるのだ

しかし当時はその事を知らず、1番下段に缶詰等の重いものを詰めてしまっていた

こうすると、歩いている時に絶えず後ろや下に引っ張られることになり、非常に辛いのである

こうして色々と失敗している準備は整った



そして歩き出す



4月14日の早朝に家を出て伊豆に向かう

最初は10分歩くごとに休憩しなければいけないくらいしんどかった

公園があれば公園で休憩したいが、10分ではそう都合良く公園に辿り着くことも出来ずに、道端に重いリュックをドカッと下ろして休憩する

ヘトヘトになりながら1日目は自宅から20km程歩いた相模川でキャンプし、そして2日目に相模川から30km程離れた小田原に向かう

2日目あたりからは重い荷物にもだいぶ慣れてきた



異変に気付く



小田原に近付くにつれ、磯の香りが漂ってくる

さすが海の近い港町である

思わずニヤリとしてしまう



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しかし、それはだんだん磯の香りという生易しいものから、漁港臭へ、そして小田原に着く頃には完全に魚の腐敗臭へと変わっていった




普通に臭い




「小田原ちょっと臭すぎるな……」と思っていると、ふと振り返った時にあることに気付いた



「ん?振り返るとなんかより臭くない?」



試しに何度か振り返ってみる




やっぱり臭い




俺の背中が臭い




「なぜ俺の背中から磯の香り、いやむしろ魚の腐敗臭が!!」

慌ててリュックを下ろして確認してみる




なんと!!リュックの底から謎の液体が漏れて、強烈な臭いを発しているではないか!!




急いで中身を取り出して確認してみる

すると、中に入れてあった大量のサバ缶の内、底の方にあった4缶がひしゃげて、中身がリュックに飛び出てしまっていた

おそらくリュックを何度もドカッと地面に下ろした時の衝撃と、上に積み重なった他の缶詰の重みに挟まれてひしゃげてしまったのだろう

その結果、サバ缶の汁が漏れてリュックにしみ出し、それが漁港の臭いを発していたのである




小田原漁港よりも俺1人の方がよほど漁港臭いではないか!!




これでは歩く漁港臭である




こうして、旅2日目にして絶望感に包まれて、泣きそうになりがらリュックを公園の水道で洗ったのである……




つづく

続ヒットマンというゲーム

さて、ヒットマンというゲームの続きである

前回の話で、料亭でヤクザの組長を適当に捌いたフグで暗殺したのだが、奴は小物に過ぎない

同じのソフトの最後に、また別の将軍と呼ばれるヤクザのボスが出てくるのである



リアルさを追求したゲーム



ちょっとヒットマンというゲームシリーズについておさらいをしておこう

ヒットマンは主人公47(フォーティセブン)が、各国の要人を暗殺していくゲームである

47は国籍を持たないが、見た目は中年の白人男性で、頭はスキンヘッド、後頭部にバーコードが入っている



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各国のステージでは周囲の人物の会話等を手がかりにターゲットに近付いていく(訪問客を装ったり、警備の隙をつく等)が、どの国でも会話は英語で行われており、字幕で会話がわかるようになっている

ステージは非常にリアリティの高い設定になっており、パーティーやファッシンショー等人通りの多いステージや、大きな邸宅に忍び込んでの暗殺など、種類は様々である



日本だけ……



そんな重厚でリアリティのあるゲームなので、ヤクザのボスである将軍は当然お城に住んでいる



……もう一度言おう




当然お城に住んでいる



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(写真はイメージ)



天守閣もある立派なお城に住むヤクザ

周りは雪原や山に囲まれていて、ジャスコさえなさそうな糞田舎である

お城というのは誇張ではなく、ミッション説明画面でもちゃんとお城となっている



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「この城、カツヤマ城は」と当たり前の顔して説明してくる



もう一度言いたいが、このゲームは他国は本当にリアルな設定なのだ!!

なのに、このゲームは日本だけかなりおかしいのだ!!



しのぶ者



お城に潜入した47、迷彩服の敵護衛達の目から逃れながら、奥へ奥へと入っていく

すると突然頭上の梁(はり)から降りてくる人影が!!




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NINJA


キタ━(゚∀゚)━!!




そう、やはり日本といえば忍者は欠かせない




ヤクザ







と来たら、この後出てくるのはサムライか忍者と相場は決まっている


多分このゲームスタッフ的には、NINJAは日本で非常にポピュラーな職業なのだろう


お正月に親戚が集まると、だいたい親戚のオジサンの1人くらいはNINJAだったり


隣りの隣りの家がNINJAだったり


同窓会で久しぶりに旧友と会うと、「えっ!お前もNINJAなの!?オレもオレも!!」


等といったようなNINJAに満ち溢れた世界観に違いない……



美しい日本語



このゲームどのキャラクターも英語で喋るのだが、嬉しいことに忍者は日本語をしゃべってくれる

きっと日本以外の外国では、ゲーム内の忍者が日本語でしゃべり、その国の言葉で字幕が出るのだろう

しかし日本版のゲームでは、忍者が日本語をしゃべった上で、親切にも日本語で字幕が出るのである

だが忍者のしゃべる言葉と字幕とは少しズレている

例えば忍者に発見されて警戒されてしまった場合、字幕には「何者だ!?」と出ているが、実際に忍者がしゃべる言葉は




「なんじゃらほい!?」




である


完全に正体がバレて警戒された場合は、大声で仲間を呼ばれる

その時は、字幕では「敵がいたぞーーー!!」であるが、実際に忍者がしゃべる言葉は




「ヤベェ!!」




である


しかもずっと連呼してくるので、さきほどの画像のように2人の忍者に発見されて戦闘になった際は



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「ヤベェ!!ヤベェ!!ヤベェ!!ヤベェ!!」




「なんじゃらほい!?なんじゃらほい!?なんじゃらほい!?なんじゃらほい!?」




と叫び続ける忍者達との狂気の戦闘となる




忍者の癖に日本語乱れすぎである




……という訳でこのヒットマンというゲームは、忍者達まで日本語が乱れているという悲しい現実を見ない為にも、「是が非でもステルスや変装でターゲットに近付きたい」、そんな気にさせてくれるゲームなのである