エンゲル係数の高い家
ある日友人がマヌカハニーというハチミツにハマっているという話を俺にした
なんでもそのマヌカハニーは「マオリ族の秘薬」とも呼ばれ、非常に栄養価が高く、体内で抗菌作用を持つなどとても体に良い伝説のハチミツらしい
世界のセレブ達にも愛用されていて、友人も最近食べているのだという
そこまで聞いてふとその名前に聞き覚えがあることに気付いた
当時は実家暮らしだったのだが、実家にあるハチミツがそのマヌカハニーな気がしたのだ
俺「ウチにもマヌカハニーあってよく食べてるよ」と俺が言うと、「いや、そんなことはないでしょ」と友人は否定してきた
友人「マヌカハニーは伝説のハチミツでそんじょそこらの一般家庭にあるものじゃないから。それにあれはハチミツとして食べるというか、薬みたいに毎日1口ずつ食べるものだし。それに安いのでも1瓶5000円くらいするよ?」
確かにそのような食べ方はしていないし、そんなに高いのでは俺の勘違いだろうという結論になった
しかし家に帰るとあったのである!!そのマヌカハニーが!!
なんということだ!!俺は既に伝説を食べていたのだ!!
それも普通にパンに塗って食べていた
しかもこのマヌカハニー、薬臭くてクソ不味いのである
俺は不味いな不味いなと思いながら伝説を食べていた
そしてこのマヌカハニー、めちゃめちゃ粘度が高くて塗りづらいのである
俺は塗りづらいな塗りづらいなとイライラしながら伝説を塗っていた
伝説に対して失礼過ぎるだろ
ちなみにそんな高価な食品があるのは、ウチがお金持ちだからという訳ではなく、支出に対する食費の割合(エンゲル係数)が異常に高い家だからだ
いつだったか、高級な霜降り肉をすき焼きで食べた時は、肉から脂が次々とシミ出してきて非常に美味であった
どれくらい脂がシミ出してくるかというと、次の日余った肉を俺がフライパンで焼いて食べたのだが、シミ出した脂が気化して床がヌルヌルしたスケートリンクの様になり、その床を犬が舐め続けていたくらいだ
まさに食通ならではのエピソードである
という訳で、皆さんも食通を気取るなら、1度は自宅の床をスケートリンクにして頂きたいものである