クソニート牧場の日記

37歳のクソニートが新たな道を模索しています

パンツももってけこの野郎

俺は富士山には過去5回ほど登っているのだが、今回は富士山に登れなかった話

最初に富士山に登った時は友人達と車で五合目まで行き、早朝から登り夕方に降りてくるいわゆる弾丸登山だった

2回目は夕方横浜の自宅からママチャリで五合目まで行き、早朝から登山して15時くらいに五合目まで戻り、そのままチャリで横浜に戻るという、あえて言うならレーザービーム登山であった

そして今回の話は3回目の富士登山に挑戦した時の話である




ズルせず山を登りたい




過去2回富士登頂を成功させていた俺だったが、全くもって気に食わないことがひとつあった

それは富士山を5合目から登っているということである

5合目ということは、山頂の標高の半分の高さである



………本来の山の標高の半分を車で登る



これがズルと言わないでなんなのだろうか?


俺は考えた、山を1合目から登りたい、いやむしろあるならば0合目から登りたい

そうだ海だ!!海ならば海抜0なんだからそれより低い陸地はないのである

よし、海のある小田原から登ろう




横浜から小田原、そして5合目へ




横浜の自宅から小田原までは40km強

容量70リットルの大きいリュックに荷物を詰め込み、2日かけて歩いていく


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(写真は70リットルのリュックのイメージ)




この距離なら健脚の人なら一日で歩ける距離ではあるが



無茶な計画に見えて意外と無理な行動をしないのが俺の特徴である



ちなみに小田原まで歩いたことも初めてではなかったので、特に感慨はなかった

中間の相模川で1泊キャンプし、途中警察に職質されたりもしたが、概ね順調に小田原にたどり着く

小田原でまたキャンプ泊して、翌日の早朝から富士山5合目のひとつである須走口を目指す

自宅から小田原に来るのに比べたら、小田原から須走口まではそれほど距離はない



と思っていた



しかし早朝から出発したのに、10時間以上たっても着かない

辺りは薄暗くなってきて、しまいには小雨まで降ってきた

その当時は地図アプリやGoogleマップで距離計算なんていう便利なものはなかったので、小田原から須走口まで地図で見て、およそ6時間ほどで着くのではないかと思っていた

しかし今Googleマップで調べてみると、42kmあり、平坦な道でも歩いて10時間かかる距離であった



無茶な計画に見えて実は杜撰な計画なのが俺の特徴である



そんなこんなでボロボロになりながらようやく夜8時くらいに5合目須走口付近にたどり着く

この日は途中で休憩を挟みながら12時間近く歩いていたと思う

さすがに翌日富士山に登るのは体力的に辛いなと思っていると、近くに大きめの風呂屋を見つけた

明日はここで一日ゆっくりして、明後日に富士山を登ることにした




英気を養う




翌日10時の開店を待って風呂屋に入る

70リットルの大型リュックは邪魔になるので、風呂屋の近くの道の端に置いておいた

湯船に浸かると3日間の疲労が洗われるようである

しかもここは無料で使えるマッサージチェアがあり、揉み返しが起こってちょっと痛くなるくらいマッサージをしながら一日を満喫していた

そして夜の7時にまたキャンプをする為に風呂屋を後にする

さて俺のリュックを回収するかと思ってリュックを置いた場所に戻るとリュックがない

外はだいぶ暗くなっていたので、はて置いた場所を間違えたかと思って周囲をウロウロしていると




道に俺のパンツが散乱しているではないか!!





……どういうことだ!!何故道に俺のパンツが6枚ほど落ちているのだ!!



まさか、リュックを盗まれたのか?



俺のリュックはもう4.5年は使っているもので、ボロボロで底には小さい穴が開いているような代物である

中身ももちろん貴重品は持って行っていたので、着替えと使用済みの下着、あとは富士登山で使うちょっとした防寒着とカッパや寝袋くらいで、盗む価値のあるようなものはまるでない



しかし、その油断が死を招いたのである




まさかそんなもん盗む奴がいたとは……



ってか盗むなら全部持ってけよ!!




中身を厳選した挙句いらないパンツを道にバラまくな!!




こうして防寒着やカッパを盗まれた俺は富士登山を断念せざるをえなかった

また結構薄着で風呂屋に行ってしまった上に寝袋もなかった為、始発の電車が動くまで寒さと戦いながら駅まで歩き続けたのである……